みんなの冷蔵庫(仮)2

「どうしたの? どこか行ってたの?」


声が段々近付いて来る。

どうしよう。


「これお土産。お客さんにもらったから、一緒に食べよ」


トキちゃんはすぐ横に並び、私の目線まで手にした箱を持ち上げた。

横目で見ると、箱にくっつきそうなくらいすぐ横に、トキちゃんの顔。

猫みたいにぱっちりした少し釣り目が楽しそうに動いていた。


「うん」


精一杯笑顔を作り、顔を上げてそう答えると、トキちゃんは首を横に倒し、音を立てて上唇にキスを落とした。


やっぱりトキちゃんはずるい。