お別れ。
付き合ってもなかったから、そんなのいらないのかもしれないけど。
私はトキちゃんとずっと一緒にいれるものだと思っていたから。
心のどこかで不安はあったけど、一緒にいる時は満ち足りていたから。
タクシーだと、十分足らずでマンションの前に着いた。
なのに、往生際悪くエレベーターに乗らずに階段を使おうか、なんて考えてしまう自分がいて。
先延ばしにしたくないのに、終わらせたくなくて踏み込めない。
そんな葛藤が私をマンションのエントランスに足止めした。
「ちよみ?」
喉の上に何か張り付いたみたいな、でも私の大好きなかすれた低い声。
振り向けない。
付き合ってもなかったから、そんなのいらないのかもしれないけど。
私はトキちゃんとずっと一緒にいれるものだと思っていたから。
心のどこかで不安はあったけど、一緒にいる時は満ち足りていたから。
タクシーだと、十分足らずでマンションの前に着いた。
なのに、往生際悪くエレベーターに乗らずに階段を使おうか、なんて考えてしまう自分がいて。
先延ばしにしたくないのに、終わらせたくなくて踏み込めない。
そんな葛藤が私をマンションのエントランスに足止めした。
「ちよみ?」
喉の上に何か張り付いたみたいな、でも私の大好きなかすれた低い声。
振り向けない。



