なのにトキちゃんは指が固まったように動かなくなり、キスも止めた。

驚いて顔を上げると、戸惑うような目で見つめ返してくる。

私は部屋の明かりを消してトキちゃんをベッドの上に突き倒した。

火を点けたのはあんたなんだから責任とってよ、て気持ちだった。

でも、トキちゃんはベッドの上でもキスしかしてこなかった。

途中で私も諦めた。

布団に包まり、チュッチュッと音を立てながらキスをして、目が会うと笑って、またキスをした。

暗がりで猫のように光るトキちゃんの目を見ていると、胸がきゅんとなった。

ああ、恋したんだ私。

キスでも満たされるんだってことを初めて知って。