「好きな服選んでね♪」


「俺達も良いんですか?」


「もちろんよ!」


「じゃあ、ママ。私は学校の皆誘ってくる」


「行ってらっしゃぁい♪」


「じゃあ、梨寧ちゃん行こっかぁ」


「瑛梨佳さんとショッピング・・・!行きますっ!」


「じゃあ、海流。俺らも行こうぜ。」


「惷の服選んでやるよ!」


「浩希君だよね?行こっか?」


「はい。」


・・・


「好きなスーツ選んでいいよ」


「ありがとうございます!」


「愛蕗はね、好きな人が来てるならなんでも好きなんだよ・・・。」


「そうなん・・・ですか?」


「昔からそうなの。」


「へぇ・・・。」


「浩希君ならこれ似合いそうね。」


「どんなのですか?」


「これよ!」


「じ、10万!?高いっす!」


「良いわよ!別に!まぁ試着してみて!」


「わ、分かりました。」


・・・


「どうですか?」


「似合ってるわね!流石♪これ、買いましょう!」


「え、ちょっと!」


「すみません!これの新品ください!」


「かしこまりました。」


「あの、ありがとうございます。」


「良いのよ。久しぶりに見たわ。愛蕗の笑顔。」


「え?」


「愛蕗は昔からね那穂から凄い怒られてたの。あ、那穂は愛蕗の父親ね。」


「怒られてた?」


「瑛梨佳は成績が凄く悪かったの。まぁ、常に50点以下かしら。で、
愛蕗は成績が良くて常に90から100点位なの。」


「凄いっすね。」


「だけどね1回愛蕗は89点取ったの。
何でだったかなぁ?あ、そうそう。理科
ただの漢字間違いだったの。
それを聞いた那穂は愛蕗に怒鳴りちらしたの。」


「怒鳴り・・・ちらす?」


「えっと・・・なんて言ってたかなぁ?
何でこんな点数をとったんだ!
ちゃんと勉強はしたのか!?
こんな娘を持って私はとても恥ずかしい。
復習終わるまでご飯は抜きだ。寝るのもなしだ!って言ってたかしら?」


「凄い怖いですね。」


「それからはあまり笑わなくなったのよ。
中学校でも作り笑いばかりで友達からも嫌われてたりしたらしいわ。でも、今は違う。ちゃんと笑えるようになってたの。
それを見て本当に安心したわ。

これもね惷君に瑛梨佳に海流君に梨寧ちゃんに浩希君。皆のおかげだわ。
また、那穂に会って愛蕗が怒られそうになったら助けてちょうだい」


「分かりました。」


「ママー!」


「どう?学校の皆これそう?」


「今から用意するだって!」


「あら!そうなの?じゃあ早く用意しちゃいましょう!」


「うん!」