「梨寧ちゃんに自転車乗らしたらダメだからウチが乗っていこう。」


・・・


「梨寧ちゃんー!お待たせ!」


「あ、愛蕗も自転車乗ってきたんだ!
ちゃっちゃといっちゃお!」


「梨寧ちゃんまた自転車乗ってる!!」


「3ー、2ー、1ー、ゴーっ!」


「ちょ、梨寧ちゃん!?聞いてる!?」


「あれ?海流?」


「梨寧ちゃん危ないーっ!」


ガシャーンッ


「急に止まらないでよー!」


「ごめん。ねぇ、あれって海流と浩希先輩?」



「浩希!?どこ?」


「あそこ。あの女に絡まれてる男」


「近くに行ってみよ!」


「うん!」


・・・


「だからぁ!お兄さん達ウチらと遊ばな〜い?」


「ごめん。俺らこれから学校なんだ。」


「いーじゃーん!学校位サボろうよ!」


「勉強ついていけなくなったらテメェらのせいだから。」


「そんなのウチらが教えてあげるからさぁ!」


・・・


「愛蕗助けてあげる?って愛蕗!?」


「おはよう!浩希!このお姉さん達どうしたの?」


「あ、愛蕗・・・。えっとこいつ等が勝手に!」


「えー、マジ誰?お前ー。マジチビー。餓鬼じゃん。」


「今、なんて言った?」


「だからぁー。マジチビー。餓鬼じゃん。って言った〜。」


「その口を喋れなくしてやろうか?」


「な、なんだよ!この餓鬼!」


「お前らどこ高?」


「さ、咲乃高校。」


「へぇ。咲乃ねぇ。
いざとなったらお前らを退学させる事も出来るけど。これ以上なんか言ったら退学出来るよ?」


「なんの脅しだよ!テメェ!」


「まだ、言うんだ。分かった。それだけ退学になりたいんだね。」


プルルルル


「もしもし。咲乃高校の学園長さんはいますか?
申し遅れました。私は碧月蒼翔 アオト の娘の碧月愛蕗と申します。
はい。はい。」


「な、なんの演技よ!」


「演技?何言ってんの?演技なんかじゃないから。」


「ちょっ!テメェ!何すんだよ!」


「うちは最初に言ったよね?退学に出来るよ?って。なのにお前らがこんな事するからこうなった。自業自得だね。


あ、もしもし。ご無沙汰してます。
碧月愛蕗です。あの、咲乃高校の生徒なんですけど退学し「すみませんでした!!」あ。やっぱなんでもないです。
久しぶりに声をおかけしたかっただけですので大丈夫です。」


プツッ


「早く学校行けば?」


「はいっ!」


ダダダダダダダ


「海流先輩も浩希も優しく言ってたら離れるって思ってたら大間違いだよ?」


「「はい。」」


「行くよ。梨寧ちゃん。」


「う、うん。」


皆が思ったこと。



愛蕗には逆らえない。