「ーーーま!…ーーさま!」



……うーん……



「ールさま!起きてください!」



……うぅ〜……あと5ふん……



「アルさま!いい加減に起きないと、ぶん殴りますよ?」



その言葉にパチリと目をあけると、見慣れたこげ茶の髪と瞳、特徴的なそばかすの顔がすぐ目の前にあった。



「わわわっ!ロイド、近いって!起きるっ起きるから‼︎殴るのは勘弁して!」



アルさま、と呼ばれていた子供は驚き、すぐさま体を起こした。



「まったく…。とりあえず、急いで湯浴みをしましょう。今日はアルさまの誕生なのですから、忙しいですよ!」



アルにロイド、と呼ばれた青年はテキパキと支度を始める。



ああ…そうだ。



僕は今日



誕生日だったんだ。