勇者と魔王の弟子の物語

これは…っ!


アヴィニョンに着くと、あたりには炎が燃え盛りっており、魔光が飛び交っていた。



これは魔王の仕業か!?


急いでアヴィニョンの広場へ向かう。


魔物の断末魔が聞こえる。


人が1人もいない…


広場に着くと、住民が全員集まっていた。

「!ダリアスさん!大丈夫ですか!?」


人混みの中から町長のダリアスを発見する。



「おお、トゥルーク君ではないか。この通りみんなピンピンしとるぞ!」


フォッフォッフォ、と陽気に笑う。


「この状況は…一体どうしたんですか!?」


辺りには魔物の死体が転がっている。


「このあたりは魔物が多く住みついていての…こうやって時々暴れだすんじゃよ。

だが心配はいらん!

なんたってワシらには、あのお方がおるからな!」



「あの方…?」


「ほれ、あそこにおるじゃろ?」


ダリアスが指差した方を見てみると、そこには黒髪の男が立っていた。


その男は剣を握りしめ、最後と思われる牛のような魔物と対峙していた。


「!」


男がボソボソと何かをつぶやくと、持っている剣に炎がまとわりついた。



するといきなり魔物が突進してきた。


男は魔物を前にしても全く動かない。


「危ないっ!!!」


俺は咄嗟に駆け出した。


だが、男が剣を一振りしただけで魔物は倒れてしまった。


「なっ…!」


倒れた魔物は炎に包まれ、焦げ臭さが辺りに漂う。


「ん…?なんだ坊主。」


男がこちらに気付いたらしく、くるりと振り返った。


その黒髪はツンツンと立っており、目はつり目で深緑。

身長は俺より結構高い。

ガタイは程よく引き締まっており、軍人のような雰囲気だ。

年は20代前半…といったところだろうか。

胸や腕を覆うくらいの軽い甲冑に藍色のマントを着用していた。


「あ…どうも。俺は一応勇者のトゥルークです。
…貴方は?」