四季物語

〜波乱の幕開け〜

2日前の出来事。

「乃愛ちゃん、絶対俺のものにするからね,,,」

あの言葉を耳元で囁かれてから私は耳を触るのが触るのが癖になったみたいだ。
それにしてもあの言葉の意味がいまだに分からない。僕のものってどういう意味?私は私だよ?そんなことを、頭のなかで考えていたらあいつの声がする。

「乃愛ちゃ~ん!お昼食べに行こ!」

転校生の夏月 輝だ。2日前の出来事以来、こいつは私にすごく馴れ馴れしい。気持ち悪い。

「私お昼は蓮斗と食べるって決めてるの。」

「でも、蓮斗君ならさきに購買行っちゃってたよ?」

「,,,」

そうあの日以来蓮斗も私に対する態度が変わって私に冷たくなった。なんだか、少し寂しくて、変な気持ちなんだ。

「二人で食べようよ!ね?!」

私が返事もしないうちに夏月 輝は私の手を強引に引っ張って屋上まで連れ出された。

「うん!やっぱ、お昼は屋上で食べるのが一番だね!」

夏月 輝は体を縦に伸ばしながら気持ち良さそうに言った。今思えばあの2日前の蓮斗と喧嘩?したときの口調や顔つき、態度が嘘のようだ。

「いっただきまーす!」

購買の人気メニュー焼きそばパンを豪快に食べる。

「乃愛ちゃん食べないの?」

「別に,,,」

このままこいつと二人でご飯を食べるのは気にくわないが流石に私もおなかがすいた。私も購買のホットドッグを一口食べた。

「うわ!乃愛ちゃんのホットドッグおいしそう!一口ちょうだい!」

また、私の返事を聞く前に私のホットドッグを食べてしまった。しかも、一口がデカいからもう半分は減ってる!ひどいなぁ

「ん!おいしい‼」

はぁ、私のお昼これだけなのに,,,

「あ!ていうか、地味に今間接キスしちゃったね!」

「うん、そうだね」

間接キスがどうしたんだよ。そんなことより私は残り少ないホットドッグをみて悲しんでるんだよ、話しかけんな。

「ねぇ、乃愛ちゃん,,,」

「なに?」

私が怒りながら返事をすると,,,

ドサッ

ん、あれ?身動きが取れない

「屋上ってさ不思議だよね」

こいつはなにを言ってるんだか、というか私の手を地面に押さえつける力が痛いんだけど。それと私の足の間にお前の足を入れるのをやめろ。

「何て言うか、その、襲いたくなっちゃうよね?」

「え?」

その時、私の胸の辺りに男のゴツゴツした手が触れていた。

「やっやめろ!」

抵抗しようとしても体は押し付けられて動かない。夏月 輝の手は止まらない。私の体のありとあらゆるところを触ってくる。

「んっ!っ!きっ気持ち悪い‼離せ!だっ誰か助け,,,」

『助けて』と言おうとした瞬間口をふさがれた。それも手ではなく、唇で,,,

「んっ!あっ!」

声を出そうとしても出せない。

怖い。誰か!誰か助けて,,,蓮斗!助けて!

とうとう夏月 輝の手が直接肌に触れようとした瞬間、私の体から夏月輝の手と唇が私の口から離れた。

「おい!お前ら何やってんだよ!」

「蓮斗!」

「あーあ、あともう少しだったのに,,,じゃっ乃愛ちゃんまた後でね!」

夏月輝はそうにやける屋上から出ていってしまった。

「気を付けろよ」

それだけ言うと蓮斗は私から離れていってしまう。いつもの蓮斗じゃない。やっぱりどこか冷たい。

「蓮斗!待って!」

私がそう言うと蓮斗は止まってくれた。

「助けてくれて,,,あ,,,ありが,,,」

ふいに涙がこぼれる。こんなはずじゃ,,,

すると蓮斗はビックリして、でもまた普通の蓮斗に戻って私のことを抱き締めた。

「蓮斗、怒ってるの?なんで、私に冷たく接するの?私のこと嫌いになったの?」

私は泣きながら聞いた。すると蓮斗は

「乃愛が他の男といちゃついているのをみるのがいやだったんだ。別に乃愛のことを嫌いになったんじゃねぇよ。むしろ俺はお前のこと,,,」

そこまで言うと蓮斗は口をつぐんで私の唇を触る。

「あいつにキスされたの?」

なんと言っていいか分からなかった。だって蓮斗は凄く怒っていて、でも悲しい顔をしていたから,,,

「えっと,,,」

どうしよう。また涙がこぼれてきそう,,,
その時、蓮斗はすっごく短く私の唇にキスをした。

「?!」

「こっこれで、消毒完了だな,,,」

蓮斗は顔と耳を真っ赤に染めて照れながら言った。

何故だろう。夏月輝のキスは死ぬほど嫌だったのに、蓮斗のキスは嫌じゃなかった,,,