四季物語


〜突然の事〜

ガヤガヤ

転校生が来てから3日たった。それなのに転校生の周りは人でいっぱい。あの輪に入っていないのは私と蓮斗くらいだ。

「あの転校生、人気だな。クラスの女子どもがイケメン転校生だのどうのこうの言ってたよ」

「ふうん。皆に呆れるわ。今まで蓮斗に夢
中で蓮斗きゅん♥とか言ってたくせに」

その言葉に蓮斗は少し笑って真剣な顔になって私を見ながら言った。

「本命のやつ意外にモテても嬉しくないよ」

よく意味が分からない。そう時々、蓮斗の考えていることが分からないときがある。まぁ私も感情表現が苦手だからお互い様かもしれないけど。

「そんなことより腹へったな」

蓮斗が下らない話を持ちかける。

「そうだね。あとで購買行こっか。」

「おう、行こうぜ」

こんなどうでもいい話をして二人で笑って,,,こんな二人の世界が永遠に続けばいいのに。なんてね。
そんなこと、考えているといつの間にか転校生が私達の方に来ていた。

「二人ともなか良さそうだね!」

転校生は笑いながら私達に言った。でもなんだろう、この笑顔はどことなく暗い雰囲気をかもちだしてる。私が黙っていると蓮斗が口を開いた。

「それがどうかしたのかよ」

「ふうん、否定しないんだぁ!」

「俺と乃愛は幼馴染みだし、仲良いのは当然だろ」

「あはは、正論だね!」

「何がおかしいんだよ」

あーなんか転校生のただの一言で喧嘩が今にも始まりそう。蓮斗は負けず嫌いだから喧嘩が始まると止めるのめんどくさいし、かといって初対面の転校生を止める気にもならないし,,,よし、ここはひとまず逃げよう、面倒な事に巻き込まれないように!

「いや、別に君の正直さに圧倒されただけだよ」

「はぁ?なんだよそれ!」

うわ、めんどくさ!私はしゃがんで皆が蓮斗達の方向を見ている隙に教室から出ようとした。

「まぁ、要はこういうことだよ」

その瞬間、誰かが私の腕を引っ張って腰に手を回し唇が後、数センチでキスしてしまうという距離まで近づいていた。

「てめぇ!なにやってんだよ!」

え?

「何ってキスだよ?」

キッキスだと?

「ふざけんな!」

そう言ってまた誰かが私の腕を引っ張った。

「れっ蓮斗?!」

私今蓮斗に腕を引っ張られたの?あっあれ?今何が起こったんだ?

「僕さぁ、乃愛ちゃんのこと気に入っちゃったんだよねぇ!」

のっ乃愛ちゃん?!?!

「はっはぁ?」

蓮斗が動揺する。クラスもざわつき始めて私にまた冷たい視線を女子たちは向ける。
すると転校生は私をかばうように私の前に立っていた蓮斗を押し退けて私の耳元で甘い口調で囁いた。

「乃愛ちゃん、絶対俺のものにするからね,,,」

キーンコーンカーンコーン

皆が自分の席に戻る。
私はただ突っ立って耳元にかかった転校生の吐息に鼓動が高まっていた。