「えーっと、和臣っていいます。カズとかテキトーに呼んでください。
ギター弾いてます。よろしくー。」


「キャー」


うん、女子ってなんであんな高い声出るんだろ?


声帯が違うのか?


「じゃあ、カズはギター部か…。いい体してるから先生が顧問してる部活にいれてやろうと思ってたのに」



「すいませんねー。ギター部っすよ」



三味線も弾けるけど。



「はい、じゃあ次ー」







クラス35人全員の自己紹介が終わった。


一番面白かったのは確実に先生だけど。


「ハルー?お前もう帰…、呼び出されてたな。」



「あぁ…。」



うわ、声低っ。



どんだけ嫌なんだよ。


「まぁ、がんばれよ。」


まぁ、そうなるのもわかるけど。


「てか工芸室ってどこだよ…」


ハルはもう、部活はしないだろう。


「ここだろ?プール横の。まぁすぐ断って帰るんだろ?」


してほしい。


「当たり前だろ。なんなんだよ…朝から。」


楽しみを見つけてほしい。


「まぁ、それはざまぁってことで。」


俺は軽い口調で冗談いうことしかできない。


「はぁ、苦手だよ、こういうの。」


天才は天に見放され過ぎたんだ。