「ねえ、柚?」


「なあ、柚?ね、お兄ちゃん。口調気をつけてね。あと堂々と歩け。」


おずおずと話しかけるとピシャッとお叱りを受けた。


そんなことより…。


「なんか、すごい見られてる気がするんだけど。」


歩く度、視線がすごい。


もしかしてどこか変なのか?!


ウワー、男装女子いる(笑) みたいな?!


「大丈夫よ、慣れて。明後日から学校でもこうなるから。キャーキャー言われちゃってもう色男♡」


やけに猫なで声でそう言いながら抱きついてくる柚ちゃん。


「柚。苦しい。」


「ごめーん」


悪びれる様子もなく離れた柚ちゃんは近くのお店で立ち止まった。


「よし、ここで買おう。お兄ちゃん他に見たい店とかある?」


カジュアルな印象のお店。


「ないよ。」


というか男物の服はよくわからないし。


柚ちゃんに任せるのが妥当だろうし。


「じゃあ入ろう。」



こうして何件か巡り、紙袋がいっぱいになった頃。



「よし。もうそろそろいいかな!お茶にしよう!その前に女に戻ってきてもいいよ。」


数件回った時に女用の服もみて、買ったから着替えようと思えば着替えられる。


が、めっっちゃつかれた。


もう着替える気力はない。


「いや、もう、いいや。このままで。」


「じゃあそのままお茶して帰ろうか。」


柚ちゃんはスタスタとコーヒーショップに歩いていく。


「柚〜早い〜」


「シャキッとしてよねお兄ちゃん。」