渡された一つの紙袋の中身を広々とした更衣室で見る。


流石有名ブランド。


いちいちデザインが凝ってるなぁ。


言い知れぬ高級感も……眩しい!


いくら顔がキレーに加工されていようが気後れしてしまう。


これで体型カバーにまで気を使って作られているんだから驚きだ。


アクセサリーまで入ってる。


「なんだかなあ。」


すべて身につけて鏡を見る。


なんか、こう、服に着られてるって程じゃないけど違和感。


ていうかなにこのイケメン。


やめてよ眩しいな。


ほんとに性別間違って生まれてきたかも。


服の体型カバーと整形メイク(自称)のお陰で完全に男。


少し華奢だけど肩幅も広く見えるし、腰も薄く見える。


すごいな〜


外していたメガネをかけて試着室を出る。


と、その目の前に腕を組んで魔王様のように仁王立ちする柚ちゃんが目をギラギラと輝かせているのが見えた。


こわっ


「お兄ちゃん!!!!バッチリよ!!!」


力強く方を掴まれて今日一番の笑顔とドヤ顔を見た。



「キャー!お客様!お似合いですよ!」


店員さんも絶賛してくれる。


違和感スゴイの私だけ?


お世辞かな。


「お姉ちゃんさ、性別間違えたみたいに男の人だね」


「それは私も思ってたから抉らないで」


「ごめーん。大丈夫大丈夫、もともと美人だからこう出来るのよー」


適当感満載だけど柚ちゃんが今期最大で嬉しそうだからまあいいか。


隣まで行くと鼻歌まで聞こえる。


ほんとう、久しぶりにこんなに嬉しそうな柚ちゃん見たなぁ。


「あ、これから行く店は本当に事情を知らないから男らしくしててね。仕草、佇まい、口調、対応、声、気をつけて」


ハットしたように真顔で柚ちゃんが言う。


「ハイ。」






「では、これで失礼します。ありがとうございました」


「ありがとうございました。」


柚ちゃんが入り口のドアまで行くと、店員さんに挨拶をしたので私も続ける。


何でもかんでも柚ちゃんに前を行かれてエスコートされてるな今日。


一応男の姿なのに…!


「いえ、お母様によろしくお願い致します。またのご来店をお待ちしております」


店員さんはキレーな笑顔でそう言うと、ドアを引いてくれる。



……エスコートされっぱなしだな?!