「…雨辻 晴斗です。よろしくお願いします。」


ザワッ…。


…なんでざわめいてんの?


「おま、少なくね?面白くないし。」


あぁ、少なすぎたのか。


でも、なぁ?


「俺、先生みたいに面白いネタがないんですよ。」


すぐ思い付くもんでもないし、名前だけ覚えててくれれば…。


というか話すことは特にない。


「じゃあ、部活は?何部にはいるんだ?」



「……………帰宅部です。」



「なんだと?!高校で帰宅部?!もったいない!!青春だぞ!?謳歌しろよ!ってことでお前、放課後工芸室前の廊下な。」



「は?」



「部活、なんでもいいだろ?」



「い、いやいやいや!!入らないですって。」


正直、なにもやる気になれないし。


「まぁまぁ、高校を楽しもうぜ?」



は?いや、俺の話は…?



「はい、次ー。」


え、次いっちゃうの?!


どうすればいいわけ?


え?ちょ、え??


「最悪だ…」


俺には見えてるぞ、カズ、お前が眉を寄せて憐れんでいるフリをしながら笑ってるのが。