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「ええっあの時の女の子が貴方の担任の先生になったの?」


家に帰ってきてから約30分。リビングのソファーに座っていたおばあちゃんをつかまえて談笑していた。


今朝あった出来事とともに、九重先生について話すと、おばあちゃんは普段見ないような顔で驚いた。


「すっごい偶然でしょ!おばあちゃんにも会わせたいなぁ。」


きっと、九重先生もおばあちゃんに会えたら嬉しいだろう。


だってあんなに綺麗な思い出としてフランスの夏の日を心にしまってきてくれたんだから。


おばあちゃんと九重先生は、あの夏の日にメールアドレスを交換し、連絡をちょこちょこ取っていたらしい。


しかし、国境を隔てて生活を営んでいるため、まだ2度目の再会を果たしていない、ということだった。


「うふふ、久しぶりねぇ。会いたいわ。教師になりたい、とは聞いていたけれど、まさか貴方の担任になるなんてね。運命かしら。」


「運命……ううん、おばあちゃん、違った。偶然でも運命でもないよ。必然。先生が、私に会いに来てくれたんだよきっと。」


確かに私の高校の担任の先生に、九重先生がなったということ自体は偶然で必然じゃなかった。


でも、あんなに輝いた瞳で私を映してくれたから。


これは必然だって思いたかった。


そんな私の強い意志みたいなものを汲み取ったのか、おばあちゃんは1度目を見張った後、いつもの、温かく優しい慈愛に満ちた笑みを浮かべた。


「そう。よかったわね。」