「先生、すごいな……いろいろ……」


あの後どうにかこうにか落ち着いた先生と私は、音楽室及び音楽準備室の掃除を、SHRの時間ギリギリまでかかってようやく終わらせ、今は教室に戻ってきていた。


1時間目、他のクラスでだけど、音楽があるらしいから、あの音楽室も使うみたい。


それなのにあそこまで散らかせちゃう先生のマイペースさに少し呆れてしまう。


ボロボロ泣いてたのに、今は教室に戻ってきてすぐ授業の準備をして、出ていったし、その顔は凛々しかった。


いや、ボロボロ泣かせてしまったのは私なのだから、反省しなくてはいけないのは、私だけど……。


目の下が少し赤かったのは見なかったことにしよう、そうしよう。ごめんなさい、先生。


なぜか掌を合わせてお祈りをしていると、1時間目のチャイムが鳴った。


今日はおばあちゃんと話すから、部活だけやったら早く帰るぞ。


そんな2度目の確認を頭の中でする。


1限の先生はまだ来ていない。


暇だな、なんて思いつつ、窓の外を眺めると遠くに水の張られていない古びたプールがあるのに気づいた。


蔦が這っているようにも見える。屋内プールができたから使わなくなったのかな。


私は、野外プールも好きだけどなぁ、なんて。




涼し気な風が頬をなでて、カーテンを揺らした。