「いえ……、昨日からの1日でここまで物が溢れるのはハムスター……ピピちゃん?が脱走して、探してたからかな、と思ったのですが。違いましたか?」
至って平生に疑問を投げかける。
すると、先生は慌てたようにちょっとまってね、と言ってまた準備室の奥側に戻り、なにかガサゴソとしている。
一体何なのだろう?
ていうか用事って何だったんだ?
色々疑問はあるけど、とりあえずこのハムスター、なんで学校なんかに……。
私の手の中で丸まって気持ちよさそうに頬あたりを擦り付けてくるハムスター、ピピちゃんを眺めながらそう思う。
…………かわいい。
「おまたせしたわね!!コレ!!探し物は探し物だったんだけれどね、元々はピピちゃんじゃなくてこれを探してたの!」
そう言ってなにか分厚い本を持って駆け寄ってくる先生。
「ちょ、先生散らかってるのに走ったら危な……」
と、言いきる前にフラグを回収してしまった。
ガラガラっ
紙に滑って転んだ先生の手から本が滑り落ちる。
そして、私の足元に本に挟まれてたと思われる1枚の写真が…………
「ってなんで私の写真?!」
そこに写っているのは幼い頃の私とおばあちゃん。
まだフランスにいた頃の写真だ。
プールサイドで無邪気に笑っている。
「うふふ。それね、吟葉さんが短髪の時の写真。この前言ったでしょう?イケメンでかわいいって。」
そういえば言っていたな……。
一度落ちた本はもう先生の手に戻っている。
その本をちゃんと見てみれば、そのちょっと古くなった表紙には見覚えがあって……。
「それね、私が高校生の修学旅行に行った時に貰ったのよ。多分、あなたのおばあ様に。」

