「おはよう、吟ちゃん。久しぶりだねぇ。」


「おばあちゃん!!昨日は早く帰ってこれなくてごめんね」


顔を洗ってリビングに行くと、ソファーで紅茶を飲んでいたおばあちゃんがこちらを見て微笑んだ。


優しい笑顔だなぁ。


懐かしい。


「いいんだよ、また水泳できるようになったんだって?柚ちゃんに聞いたよ。」


え、柚ちゃん?


昨日もお母さんに報告してくれてたし、でも私が水泳続けるのはよく思ってないんじゃ…。



「ちょっとおばあちゃん!!いわないでってあれほどっ…」



キッチンで朝食の準備の手伝いをしていた柚ちゃんが顔を真っ赤にして怒鳴りつける。



うわぁ、めっちゃ怒ってるよ。



と、おもったら、もうっ!と言って自分の部屋に戻ってしまった。



着替えでもするんだろう。



おばあちゃんもお母さんも柚ちゃんがあんなに怒ってたのにクスクス笑ってるし。



まぁ、柚ちゃん後に引きずるタイプじゃないし、大丈夫か。



「おばあちゃん!あのね、学校の先生がね、とってもいい人で!」



「そうなのかい?よかったねぇ」



「うん。理事長先生と部活顧問の先生のご好意で部活の終了時間からプールを使っていいって行ってくれて!」



おばあちゃんは終始ニコニコしながら頷いてくれる。



しばらくそんな調子で私がおばあちゃんに近状報告をしていると、お母さんが



「理事長先生って恵ちゃんよね?もうあったの?」


と話に入ってきた。


そっか。理事長先生とお母さん仲良かったんだっけ。



「うん。お母さんのこと親友だって言ってたよ。」


「あらぁ、嬉しいわね」


本当に嬉しそうにお母さんが微笑む。


仲がいいことがそれだけで伝わってくる。


「あ、吟葉、ご飯食べちゃって。学校行きなさいね。」


気が付くともう目の前には朝食が並んでいた。



いい匂い。



「いただきます。」




私がご飯をほおばっていると、おばあちゃんがこちらを凝視していることに気づく。



…そんなに見られると食べづらいんだけど。




「おばあちゃん、どうかした?」



思わずそう聞くと、



おばあちゃんはハッとしたような表情になった。



「ううん、吟ちゃんがフランスにいた頃もそんな風に美味しそうにご飯食べてくれたなって思ってね。」



あ・・・



「…おばあちゃんの料理おいしいから。」



私がニコリと笑いながら言うと、おばあちゃんは悲しそうに笑った。