「ただいまー。」


家に入ると、玄関の前を通る柚ちゃんがチラリとこっちを見た。


「あ、お姉ちゃん。……おかえり。」



「うん。柚ちゃん。ただいま!」



反応の薄い柚ちゃんに、勤めて明るく挨拶をする。



「遅かったね。もう九時半過ぎてる。」



「泳いでたの。久しぶりで、楽しかったよ。」


「…………。そう。」


やっぱりね、と言いたそうな柚ちゃんは、そう言うと自分の部屋に入っていってしまった。


私が水泳やるの、賛成してくれてないのかな。



「はぁ……」


何でだろう。


特に何も柚ちゃんに害のある事をしてるつもりは無いんだけど。


もう辞めたのに、また何を、ってことなのかな。



……あんなに応援してくれてから。



「吟葉ーー?」


玄関でボーッとしていると、お母さんの声がリビングから聞こえた。


そういえば、ご飯を食べてないからお腹空いたな。



「今行くー!」