「どうした?」
「カズ、お前貴重品全部あるか?」
俺が見落としてる可能性のが高いが、ほかのヤツのもなくなってたらそれは別だろうからカズに聞いてみる。
「貴重品?あるぞ?財布に、ケータイに、鍵」
カズは丁寧にも全部制服のポケットから出して見せた。
「どうした?盗まれたか?」
冗談交じりでカズは言うがこれは真面目にやばい。
…?
「いや、財布はあるぞ…ケータイも。」
「なんだ、あったのか。良かったな。」
いや、鍵は…?
「鍵がねぇ!」
しまった場所もロッカー内も、バッグの中もすべてもう一度探すが、ない。
「は?財布置いてあるのに、それは盗まずに入学式の次の日で家の場所もわからないやつの鍵なんて誰が盗むんだよ?ちゃんと探せー」
呆れたようにカズは言うけど、マジで無い。
どうする。更衣室出る前はあったし…
とりあえず事務室行くか。
「まて、ハル?」
唐突に真剣な顔になったカズが言葉を発する。
「お前の両親今日、親父さん出張の、おばさん旅行じゃね…?」

