「じゃあ、これで終わりにするから。もう七時半だから早く着替えて8時には学校出ろよー」


先生が言う。


もうそんな時間か。


マネージャーも結構仕事があるから覚えるのに必死で気が付かなかった。


完全下校まであと三十分。


え、少なくない…?


みんなシャワーとか大丈夫なのかな…。


「おい、なんで時計壊れてんだよ!!いつも七時には終わらせてるのに!」



「あー。悪い。この前止まってたの気づいたんだが、忘れてたわ」



「顧問だろうが!!しっかりしろよ!あーもう、最悪だ!」



部長と先生が言い合っている。



大丈夫じゃなかったみたい。



今日は私の他に新入部員が来なかった。



練習も新学期はじめということでタイムを測ったりはしなかったから、少し物足りない。


でも岸本先輩の泳ぎは綺麗だったなぁ…


部長は力強くて。


皆すごい。


「あ!ウタくん!!鍵頼んでもいい?!着替えてそのまま出ていきたいから。てかマネージャーの仕事ね!」



そういえば、女子更衣室はプールから離れていて、鍵も別にある。


戻ってこない方が早いよね。



しかもマネージャーの仕事って。



「美波、今決めただろ。新入生にやらせるなんて…」


「まぁ、いいじゃんいいじゃん!どうせそこの扉の横にかけるだけだし!あんたらは忘れるでしょう?」


「た、確かに忘れることもあるけど。」



「いや、70%の確率で忘れてたもの。しっかりしてる子に頼まないとね。ウタくんは初日なのに物覚えが良くて、頼りになるし。」


「大丈夫ですよ、オレが持っていきます。」


このあと、私はプールに入るから、鍵は私が持ってた方が楽だし。


特に負担にはならないし、むしろGood Job。


「ほら、ウタくんもいってるし!よろしくね!」



「あ、はい。さよなら。」



岸本先輩はその後物凄い勢いで走っていった。



そんなに下校時間を気にしなくても…。



あ、私が許可もらってるから何となく悠々とした気分にっちゃうだけか。