「ただいまー」


トトトッ


「おかえり!お兄ちゃん!今日、遅いね」


帰ってきた瞬間待ち構えていたようにお出迎えをしてくれる妹。


柚ちゃん。



本名は沢本 エマ 柚希。


彼女も私も母がフランス人のハーフで、クォーターということになる。


柚ちゃんは身長150と小柄だけど、華奢な体つきで肩まである金髪のストレートの髪はサラサラと流れてキレイ。


パッチリとした父親譲りの二重の黒い瞳が髪の色に映えて、宝石のように輝いている。


我が妹ながら超絶かわいい。


さぞモテるんだろうな。


私も金髪だけど、ストレートじゃなくて、ゆるく天然パーマ。瞳はおばあちゃん譲りの青空色であんまり映えない。



姉妹でこの違いは…何だろうか、うん。




「柚ちゃん。家ではお姉ちゃんがいいなー」


「なんで?お兄ちゃんの格好してるし、いいじゃん?」


あぁ、柚ちゃんはお兄さんが欲しいんだっけ。


お姉さん悲しい。


「にしても、ダサい。」


あ、お姉さん本当に悲しいよ。


いや、事実ですとも。


「だよねー。」


「お姉ちゃん、元は可愛いんだから、男装してもカッコよくなると思うんだけど…。

あ、髪か。髪が悪いのね。そのウィッグ、切ろう。あと、メガネ外して。コンタクトは…。目立つからしといた方がいいか。でも、青色はかっこいいと思うんだけどなー。」



「い、いやいやいや?!そんな、柚ちゃんみたく可愛くないから、何しても同じだと思うよ?!
たしかにこのボサボサウィッグはやめた方がいいと思うけど。メガネ外してもっ!」


「いや、そうね、じゃあ眼鏡はその瓶底眼鏡じゃなければいいわ。イケメンはメガネも似合うし。」


ゆ、柚ちゃん…!


「私、目立ちたくない!」


「今の方がダサすぎて目立ってるよ!!」



…。



おっしゃる通り。



図星すぎてなにも言えません。



「うぅー」


「あ、でもあれ一応おばあちゃんからの特注だからな…。ウィッグも切っただけじゃどうにもならないだろうし、折角だからまた作ってもらおう。私がデザイン送っておくから。」


おばあちゃんはフランスにいるから、フランスのデザイナーさんの特注だったのか…。


あれ?


柚ちゃんはデザイナー志望なんだっけ?


柚ちゃんセンス良いもんね。うんうん。



「じゃあ、そう言うことだから。今日は、水曜日だから来週には届くようにしてもらうね。ちゃんとしてよ。」



…話が進んでる!?


「え、私はまだこの姿変える気な___」



「お姉ちゃんは来週からかっこよくなります。」



「ハイ。」


裏に黒いものを感じる素敵な笑顔で言われたら頷くしかないよね。ウン。


美人の黒さは本当にコワイ…。