今は参加者同士のクエスチョン アンド アンサーの時間だ。
右隣のひとに質問をされて、それに答えたあとで、今度は左隣のひとに質問をしていく。
私が左隣のミチルさんにする質問は台本で決まっているけど、ハナエさんからの質問の内容はもちろん知らない。
「あれ、ごめん。次、私の番?」
ハナエさんはコクリと頷き、質問を投げかけてきた。
「ミヤコさんに質問しますね。あの……忘れられない恋ってありますか?」
一瞬、言葉につまりそうになるも、自分の役割を思い出し「ありますよ~、それは~」と不自然にならない程度の微笑みを浮かべる。
「これが最後だといつも思いながら、なかなか最後にならないんですけどね」なんて、軽い笑いまでもくっつけてみせた。
「えっと……うまく言えないんですけど。……どうしてその恋は、他の恋とは違うんだと思いますか? 忘れられるのと忘れられないのって……」
おっとりと言うわりにはハナエさんの質問は鋭くて、なんだか棘の刺さっている部分をうえから撫でたみたいだ。皮膚のなかのどこかがチクリとうずく。
「う~ん。……そうですね。不完全燃焼みたいな後悔なのかなぁ。ああすればよかったって、あとから考えても遅いことがほとんどですけど」
もっともそれは綺麗なほうの本音で、実際の感情はもっと複雑だった。忘れてしまうには、要は濃すぎたのだと思う。過ごした時間の密度が。
大切にはされていたのだ、と今ならば分かる部分もある。でもそれが当事者になると直線的にしか物事が見えなくなる。『恋は盲目』の言葉通りだ。
右隣のひとに質問をされて、それに答えたあとで、今度は左隣のひとに質問をしていく。
私が左隣のミチルさんにする質問は台本で決まっているけど、ハナエさんからの質問の内容はもちろん知らない。
「あれ、ごめん。次、私の番?」
ハナエさんはコクリと頷き、質問を投げかけてきた。
「ミヤコさんに質問しますね。あの……忘れられない恋ってありますか?」
一瞬、言葉につまりそうになるも、自分の役割を思い出し「ありますよ~、それは~」と不自然にならない程度の微笑みを浮かべる。
「これが最後だといつも思いながら、なかなか最後にならないんですけどね」なんて、軽い笑いまでもくっつけてみせた。
「えっと……うまく言えないんですけど。……どうしてその恋は、他の恋とは違うんだと思いますか? 忘れられるのと忘れられないのって……」
おっとりと言うわりにはハナエさんの質問は鋭くて、なんだか棘の刺さっている部分をうえから撫でたみたいだ。皮膚のなかのどこかがチクリとうずく。
「う~ん。……そうですね。不完全燃焼みたいな後悔なのかなぁ。ああすればよかったって、あとから考えても遅いことがほとんどですけど」
もっともそれは綺麗なほうの本音で、実際の感情はもっと複雑だった。忘れてしまうには、要は濃すぎたのだと思う。過ごした時間の密度が。
大切にはされていたのだ、と今ならば分かる部分もある。でもそれが当事者になると直線的にしか物事が見えなくなる。『恋は盲目』の言葉通りだ。

