大学卒業の間際に滑り込んだ出版社は、ほのぼのとした地域情報誌を発行する小さな会社だった。
志垣さんのところのように企業と分業されていない雑多な仕事内容は想定内とはいえ、面食らうことも多くて。
新人の私でさえ、ライターも編集作業も時にはカメラマンの真似事までしなければならないほどの層の薄さは、経営が捗々しくないサインだったのかもしれない。
それでも私にとっては、死にそうなほど忙しくて、そして生きていると実感出来た日々だった。
結局のところ不況に煽られるかたちで、淘汰されてしまったけれど。
根なし草になってしまった私に仕事を与えてくれたのは、やっぱり叔父だった。
上手くいかない時もあるさ、と私の肩を叩いた叔父は、いとも簡単に『ma cherie(マ・シェリー)』なんて名前の店を作った。現在は私のほかにバイトの3人と切り盛りしている、路地裏にある小さな女性専用ショップだ。
『女性のために女性の体を守るものを売る。多少のユーモアとともに』をモットーに、ゴムやセクシーランジェリーを販売している。
叔父曰く、最近の女性は無防備すぎるらしい。
志垣さんのところのように企業と分業されていない雑多な仕事内容は想定内とはいえ、面食らうことも多くて。
新人の私でさえ、ライターも編集作業も時にはカメラマンの真似事までしなければならないほどの層の薄さは、経営が捗々しくないサインだったのかもしれない。
それでも私にとっては、死にそうなほど忙しくて、そして生きていると実感出来た日々だった。
結局のところ不況に煽られるかたちで、淘汰されてしまったけれど。
根なし草になってしまった私に仕事を与えてくれたのは、やっぱり叔父だった。
上手くいかない時もあるさ、と私の肩を叩いた叔父は、いとも簡単に『ma cherie(マ・シェリー)』なんて名前の店を作った。現在は私のほかにバイトの3人と切り盛りしている、路地裏にある小さな女性専用ショップだ。
『女性のために女性の体を守るものを売る。多少のユーモアとともに』をモットーに、ゴムやセクシーランジェリーを販売している。
叔父曰く、最近の女性は無防備すぎるらしい。

