その写真が一番好きみたいで、スーツの胸ポケットの中に入れてる。

これ写真がなくなったら困るって言ってこの写真携帯の待ち受けにしてるぞ

高校の卒業式の時、撮ってもらった写真なんだけど撮ってくれた男の子が

みんなと別れるのが寂しいと大泣きしてて

その顔がものすごくて笑っちゃったんだよね。

お兄ちゃんに、おまえの事こんなに愛してくれる男なかなかいないぞ

だから、おまえは安心して豪のそばにいればいいと頭を撫でられた。

なんか今まで引っかかってた胸のつかえが下りたようにすっとすっきりするような感覚になった。

「おい、飯食うぞ!!」とお兄ちゃんが言ったので

「うん」と答えテーブルに座った。

お母さんは、ごはんの準備をしてくれてたのでそのまま朝ごはんを食べた。

私の顔をじっと見ているお母さん

「何?」って聞くと

美奈ももう少ししたら豪君に嫁ぐんだねって言われ

「わかめの味噌汁を吹き出しそうになった。

「昨日告白されたばかりなのになんでそんなことを聞くの?」

「今朝豪君が私にこういったのよ。美奈をやっと手に入れることができました。本当は数年かけて

お付き合いをしてって順序があるかもしれませんが美奈が離れていくんじゃないか不安なんです。

だから、早めに結婚したいと思うので心の準備しといてくださいって」すごく真剣だったわよ。

「いいじゃないあんた、ずっと豪君好きだったでしょ?それに昨日お父さんにも聞いてたけど

豪君のマンションで一緒に住みたいと話してたわよ。

あんたがいいっていえば、来週にもって・・・・・

お父さんなんか泣きながら美奈を頼むって言ってたから・・・・・

「・・・・・・・」

美奈・・・・・

「お母さん、私まったく聞いてませんけど・・・・」

あらそうなの?

じゃあ次会った時にでも言われると思うから心の準備しとけばいいんじゃない

母さんもね本当は早いって思ったんだけど・・・・・

あんた知らないでしょ?豪君今まで言わなかったみたいだけど

早く両親を事故で亡くしていておじいちゃんに育てられたんだって

そのおじいちゃんも昨年なくされてていてね、一人ぼっちなんだって

だから、自分の一番好きな人と結婚して幸せに暮らしたいって聞いたときにこの人なら

美奈をお願いできるなって思ったの

だから美奈も豪君のこと好きならよく考えてあげなさいといい

「さあ洗濯干そう」とお風呂場へ

「お兄ちゃん知ってたの?」と聞くと

「ああ、あいつが無口なとこや笑わないのってどうやって笑ったらいいかわかんないみたいだぞ」

「えっ」

「だからお前が本当に好きならあいつのそばで支えてやれ」

お兄ちゃんは食べ終わったみたいで食器を片づけ2階に上がった。