それからしばらく、豪君が抱きしめてくれて私は好きな人の腕の中ってこんなに安心するのか

気持ちよさを感じながらまた寝ていた。

豪君が「本当に危機感ねえのかよ」とため息をついてたなんて知らなかった。

目が覚めると豪君はもういなかった。

時計を見ると7時・・・・・

布団の横には豪君がいなくて

私は急いでパジャマのまま下に降りた。

でも豪君はいなくてお母さんしかいなかった。

「お母さんおはよう豪君は?」と聞くと

「おはよう豪君なら秘書の人から電話があったみたいで仕事に行ったわよ」

うちの前に黒い車が止まってねまた出てきた秘書さんが凄く綺麗なのよ豪君すごいわね」と感心してた。

「私仕事って聞いてない、いつも泊まって夕方帰るのに・・・・」と少し大きな声でブツブツ言ってると

二階からお兄ちゃんが降りてきた。

「美奈うるさい二階まで声聞こえてきたぞ」と言われ

「ごめん」と謝った。

お兄ちゃんは少し困ったような顔をして私に話してくれた。

「あいつ本当は忙しいのに金曜日の時間作るために毎日平日夜中まで仕事してるって話しただろ?」

「うん」

「俺が、美奈すごくモテるんだぞって言ったらすごく焦りだしてな、でっ自分のものにするって言い出して」

それでうちに泊まりに来てたんだ。

「お兄ちゃん私がモテるなんてなんで嘘言うのよ」と怒ると

「いや、おまえ知らないだけで、兄ちゃんの目から見ても結構かわいい分類に入るぞ」と

恐ろしいことを言い出した。

「お前には自覚無いだけだ。それにお前高校の時、家に連れてきた直後

お前の彼氏みんな別れたいって言ってきただろ?

「うん、それか自然消滅のどちらか・・・・私の事が嫌いになって別れたとずっと思ってた。」

それが違うんだな!!と得意げに話すお兄ちゃん・・・・なんかむかつく!!

「俺が美奈にはやくざみたいなストーカーが付きまとってるけど守れるのか?」って言ってやったんだ。

その話をはじめは信用しないからあいつが怒った時の写真を見せてお前の彼氏に聞くと

皆、顔色を変えて美奈から離れて行ったろ?

そいつらお前の事それだけの好きだったんだと思う」

それを聞いてあきれたというか私の好きだった人たちはその程度しか私のこと好きじゃなかったんだ」

「お兄ちゃんちなみに、やくざみたいなストーカーって誰?」って聞くと

「決まってんだろ、豪だよ豪、目つきも性格もほぼやくざ並みだろ!!」

あいつより強くてお前の事大切にするなら俺だってあんなことしなかったけど、

豪は、お前の事ずっと好きで好きでたまらなかったらしい。

だけど、おまえが中学に入ってから豪を避けはじめただろ?あれかなりこたえたみたいだぞ!!」

あの後馬鹿のように女とっかえひっかえしてたからそれでも気持ちが満たされなかったみたいだ。

結局は寂しそうにお前の写真見てたし・・・

「はぁ?」

「お兄ちゃん今変なこと言ってなかった?」

「何写真て・・・・・」

「なんの写真?」と詰め寄る私

そこにはまずいと言う顔のお兄ちゃん

私の迫力に負けたのかお兄ちゃんは携帯を出して豪君が持ってる写真を見せてくれた。

ちなみにこの写真を豪君は携帯の待ち受けにしてるらしい・・・・

これ、私が中学の時の卒業写真、あれこっちは高校に入った時の写真で・・・・何枚あるのよ

あっこれ高校の時の写真

卒業式に友達に撮ってもらった1枚だ