「粟井!
テスト勉強やったか?」
掛井が朝から俺の席にくる
今日は夏休み前のテストだ。
昨日まで優也ん家で
スパルタ勉強会を1週間続けた。
「んまぁな」
「粟井、勉強してんのかよー!
オレ本気でやべぇかも」
けらけら笑う掛井。
俺はこの間の掛井の質問が実はまだ頭に残っていた。
"優也や菜月や遥花に特別な人が出来たとき、俺はどうするのか"
それは心から喜ぶべきだってわかってんだけど、現実的に考えると上手くいかない気がする。
そんなことを、考えながら笑う掛井に対して
「掛井、頭いいんじゃねーの?」
「いやいや、俺の英語のレベルは致命的だからな。
びーどーし、やっと昨日分かったんだよ」
びーどーし
Be動詞?
am are is かよっ!
「それはご愁傷さま」
「おいおい、見捨てんなよ!」

