親友の由佳との帰り道、この時間がこの世で一番好き。「可哀想」とか「母親は、どんな性格してるのかしら」とか近所のおばさんたちから指差されてるけど、私の苦しみを分かってくれる人なんてきっといない。

いつもと変わらない家が坂の上から見えてきた。この坂を毎日上り下りしてると何故か目眩がしてくる。あ、また目眩がしてきた。坂を上りきると治まる。「ガチャ」玄関に見知らぬ男のボロボロになった靴がある。恐る恐るリビングのドアをあける。「こんにちは瑠奈ちゃん」と見知らぬ男に言われる。「瑠奈、挨拶しろ!」ママが言った。「こ、こんにちは」と言って男に近づく。煙草臭い。酒の臭いもする。「ママ、あの人と付き合ってるから」男が帰ってからママはスマホをいじりながら言った。「ママ、また裏切られたらどうするの?いっぱい女の人いそうだよ。ママがただの遊ぶだけの相手だったらどうするの?」「ごちゃごちゃうるせーんだよ!あんたに関係ある?あんたがいるせいで圭吾といる時間が削られんの!あんたの給食費とか免除してもらってんだから少しは感謝しろよ!こんなやつ産まなきゃ良かった。あいつのせいだ!死ね!死ねぇ!」と言って私をママは足で蹴った。あいつとはパパの事なのだろうか?「痛った・・・」「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい・・・」またアザが増えた・・・