花「はぁ。またクツない。」
下駄箱の中を覗いてため息をひとつ。
もう何度目だろう。
心の中で文句を言いつつ
来客用のスリッパを履く。
毎朝毎朝クツを隠すなんて暇人だよね。
いつもと同じ朝。
そして。
?「花凜ー!おはよ!」
いつもと同じ声。

さっき自分でぼっちって言ったけど、
話してくれる子はいるの。

菊池穂奈美(きくち ほなみ)

私がどんなにいじめられても
彼女は変わらない笑顔を向けてくれる。
それは単純に嬉しかった。
でも、穂奈美までいじめられるんじゃないかと思って怖くて関われない。
だから私は穂奈美からのあいさつも
聞こえないフリをする。
穂「あー!無視しないでよぉ!」

大丈夫だからね。
穂奈美の笑顔は私が守るからね。