「好き、です……。」
「え、本当?」
「はい……。」
「じゃあ……!」

これが、始まりだった。

「バンドに入ってください!!」
「あ……、はい。」

まだ君には出逢えない。
けれどとてもドキドキする、新しい一歩。

「ようこそ、山田涼香ちゃん!」

沢山の笑顔。
並んでいる楽器。
私の一歩はほぼ完成しているのかな?

「じゃあ、自己紹介から!!」

違う。
この五線譜は、まだ真っ白なんだ。

「山田涼香、14歳です……。」
「私山口絵梨!」
「俺、近藤幸太郎。」
「まあ、沢山入るから、追々ね。」

これが私の、スタートライン。