あれから何日経ったのか。俺は何も口にしていない。ずっと家に篭ってただ一点を見つめている。
「宏太(コウタ)ー。大丈夫?」
玄関扉の向こうで嶺の声がした。
「入るぞー」
嶺は俺の姿を見て、驚嘆の声を上げた。
「宏太—…」
俺の横に腰を下ろす嶺。
「お前…、飯食ってるか?」
首を振ると、嶺は冷蔵庫を開けた。
「全部腐ってる—…」
嶺はまた、俺の隣に腰を下ろした。
「花、残念だったな」
残念、どころじゃない。
「でも花は宏太がこうなること、望んでないと思うぜ?」
そんなこと解ってる。
「だからさ、元気出そu—…」
俺は嶺の言葉を遮った。
「...何が解る」
「…え?」
「お前に何が解るんだよ!」
かすれた声で、何も悪くない嶺に当たった。
「花を失った気持ち、お前には解るはずないだろ!」
そう言いながら嶺の胸ぐらを掴んだ瞬間…
---俺は気を失った‥
