「———宏太……」
「嘘だろ—…」
涙を次々と零す君。
「宏太。あのね、これ—…」
消えそうな花の手から、一通の手紙が現れた。
「昨日の夜、書いたの」
その手紙と受け取ると同時に、花の手は消え始めた。
「ダメだ…。逝っちゃダメだ」
そう言うけど、花の身体の上半身はもうほとんど消えていた。
「———花…」
「あたし宏太のこと絶対忘れないよ」
かすれた声で、君が言った。
「当たり前だろ…」
「ホントに宏太と出逢えて良かった」
顔が消え始めた。
「離れてもずっと愛してるよ」
そう言うと同時に、花は完全に消えてしまった。花の最後の涙だけが、俺の腕にポツリと落ちた。
その瞬間に、
---俺は感情を手放した。
