「なあに?」
窓から目を離さない君は、軽くに返事をした。
「———俺さ、お前にプロポーズするつもりだったんだ」
「…え?」
ゆっくりと交わる俺たちの視線。
「“結婚しよう”って言うつもりだったんだ」
花の眉間に微かに皺が寄った。泣くの我慢してる時の花の癖。
「プロポーズしようとした 2日前に花は死んだ」
俯いてしまった花。ゴンドラはまもなく頂上だった。
「…もっと早く言えばよかったな!」
俺、上手く笑えてるかな。花の背中をさすりながら思った。
「今、すっごい生き返りたい」
涙声で、花は言った。
「やり残したこと、 いっぱいあるもん。 宏太を残して逝くなんて‥ヤダ…」
花の顔は涙で濡れていた。
