LLL. -最後の恋文-


———ザーーーーッ

雨が俺の身体を打ち付けた。

「……花(ハナ)—…」

目の前に横たわる…1人の女。

「早く帰ろう—…」

どんな言葉をかけても、コイツは目を覚まさない。

「離れてください」

近くの警察が俺の腕を掴んで言った。

「離せよ」

どんなに大きな声を出してもどんなに名前を呼んでもコイツは目を覚まさない。

「俺の彼女なんです」

「じゃあ早く乗ってください」

救急隊員が俺の背中を押した。
一緒に居た謙斗(ケント)も救急車に乗り込む。
赤い液体で染まる‥アスファルト。
花は担架に乗せられて、救急車に乗せられた。

「花—…」

きっとこれは夢だ。
長い悪夢。

「どんな状況だったか、解りますか?」

救急隊員が言った。

「俺が見たのは—…」

隣で謙斗が話し始めた。
俺が握っているコイツの手はもうあの日みたいに、握り返してはくれないけど。