文実「おっはよー!」
楓「ふわぁ〜…」
文実「うひゃーおっきいあくびだねー」
楓「朝には弱いのだ…」
細い目をこすりながら私は文実ちゃんと一緒に学校へ向かった。
楓「あれから1ヶ月過ぎようとしてるけどなんか進展あったの?」
文実「んー…楓と初めて話しかけてからもうしゃべったことないんだー…」
楓「そっかー…」
考えるより行動するほうが先でいつも振り回されてるけどなんやかんやで私は文実ちゃんと小学生の時から親友だ。恋はよくわからないが心配はする。
文実「2年生だし…なかなか話しかけれなくて…」
楓「へえー副キャプテンなのに2年生なんだ」
文実「そうだよ!羽佐田 悠貴(はさだ ゆうき)先輩だよ!クールな感じが女子に人気なの!」
楓「そんなゴリラみたいに鼻息荒くしなくても…怖いよ?」
落ち着いた口調で私は言った。オトナの対応ってやつだ(きりっ)
文実「ストレートに傷ついたよ」
おや?どうやら傷ついたようだ。おかしいな。
文実「楓さー」
楓「ん?」
文実「そろそろ好きな人くらいつくりなよ。文実ちゃんしんぱいだよぉ?」
楓「んー…そんなこと言われてもなぁ…」
クラスの男子とはしゃべるけどあまりピンとこない。なんというか、付き合うほど好きじゃないというか。文実ちゃんいわく、好きな人とはずっとそばにいたくて、近くにいるとドキドキするらしい。長距離を走ってわけでもないのにそんなドキドキするかね?そばにいたいとか思うかね?
考えれば考えるほど恋がわからなくなってきた。
学校の門を通る。
クラスメイトと会ったりしながら下駄箱までいった。これから授業があると思うと心の底からため息がでる。
楓「…おや?」
文実「どうしたの?」
文実ちゃんはスリッパに履き変えて私のところへ来る。
楓「なにこれ?」
文実「手紙?」
文実ちゃんと一緒に覗いた私の下駄箱の中には紙が1枚入っていた。文字が書いてあったため読んでみた。
楓「¨放果後図書室にこい¨」
文実「なにこれこわい」
字からして男子っぽい、しかも漢字違うし。放課後だよ放課後。
文実「もしかして、告白!?」
キャーッと叫ぶ文実ちゃん。
楓「待った待った待ったありえない!」
文実「またまたぁ〜♪」
このこのぉー♪と肘で突っついてくるからありえないという気持ちを込めて文実ちゃんの頭を軽く叩いた。私より背が小さいので叩くのが楽だ。
文実「で、どうするの?行くの?」
楓「めんどくさいなぁ…でも行かないのも悪いし、チラッと覗いてヤバそうだったら逃げるわ」
文実「そうだね、それが一番良いよ」