文実ちゃん「す、すいませーん!」
副キャプテン「ん?」
副キャプテンとその後輩が文実ちゃんを見る。
文実ちゃん「あ、あの!サッカー部の副キャプテンさんですよね…?」
副キャプテン「そうだよー?」
文実ちゃん「わ、わわ私!ファンなんです!すごく!!試合頑張ってください!」
副キャプテン「もちろん、応援ありがとう」
ニコッと笑う副キャプテンに文実ちゃんは完全にメロメロだった。
文実ちゃん「ま、またお話してもいいですか?」
副キャプテン「ふふ、いいよ。オレでよかったら話し相手になるよ。」
そしてまたニコッと笑う副キャプテン。
文実ちゃんは全神経を副キャプテンに向けている。恋って怖いわ、こんな風に私もなるのかな。
後輩「センパーイ、そろそろ行きましょうぜー」
副キャプテン「そうだね、それじゃあ」
バイバイと副キャプテンは手を振って去っていった。その背中を見つめ続ける文実ちゃん。
楓「ふ、文実ちゃん?もしもーし?」
文実ちゃんの目の前で手を動かして反応をうかがう。はっ!と目をパチクリさせると文実ちゃんは、
文実「ね!かっこよくない!?」
と私にキラキラな眼差しをむけてきた。ここまで真剣に聞いてくるのだから正直に答えた方がいいだろう。
楓「なんか、ナルシストオーラ出てる割には一人称僕じゃなくてオレだし、なんか口調とキャラ合ってないよね」
文実「楓失礼すぎる…」
しまった。あれでも文実ちゃんの想い人なのに思いっきり失礼なことを言ってしまった。言い過ぎたかなと文実ちゃんの顔色を見るとなぜか何か決心したような強い目をしていた。
文実「私がんばって副キャプテンさんを振り向かせてみせる!」
肌寒い中、文実ちゃんはメラメラと燃えていた。