そして俺が、自分はもしかしたら親父の子供じゃないんじゃないかと思った決定的な出来事が起こった

アル中の伯父の死だ

奴は重度のアル中で完全に頭がイカれていた
そして、ある日ついに一緒に離れに住んでいたばぁちゃんを人質に離れに立て籠もった

俺は当時、高校生になっていた

俺と親父がナタを持って暴れる伯父を説得したが、全く聞く耳を持たない

その内に親父はナタで腕を切られて、俺は柄杓で熱湯をかけられた
もう俺たちでは手に追えないので、警察に電話した

その時に、切羽詰まった状況にも関わらず、今どんな状況なのかと根掘り葉掘り聞かれ、挙句の果てには、イタズラ電話じゃないかと疑われてイライラした覚えがある

しばらくして、二人の警官が到着したが、細身のその警官では、元漁師の怪力のアル中親父には、全く歯が立たずに、すぐに応援を呼ぶハメになった

伯父は当時で50を軽く越えていたが、歯は真っ白で、かなりのマッチョだった