鳴海の家に着いて、インターホンを鳴らす。

少しの間待っていると、鳴海が出て来る。


「鳴海おはよう!」


「瀬奈、おはよう」


よかった、鳴海、変わってない。


2人で道を歩きながら期待に胸を膨らます。


****************

学校に着いてから、クラス発表の掲示板を見に行く。


自分の名前と鳴海の名前を1番最初に探す。


すると、鳴海が満面の笑みでこっちを向いた。


「瀬奈!同じクラス!2組!」


「えっ!うそ!?一緒のクラス!?
やったぁ!!!」


鳴海と一緒のクルスになれて
まずは一安心。


だけど、気まずい相手の名前を見つけてしまった。


それは、2組の掲示板の中に。


九条 瞬。


その名前を見つけてしまった。



胸が痛くなるのと同時に、
高鳴りを感じた。



あぁ、もう。


やっぱりダメなくらい九条が好き。


何もしないでいると、ふとした瞬間に九条が浮かんでくる。


でも、その時の九条は驚いた顔をしていて。


その時の九条しかもう覚えてない。

フラッシュバックして胸が痛くなる。


帰り道はいつも隣に鳴海がいたけど、
その日だけは先に帰ってもらっていた。


そして、その日の帰り道は、泣きながら帰った。


いつもだったら、九条の話しで盛り上がってたけど、その日だけは私の嗚咽だけが響いてた。


ねぇ、1年前の自分に伝えたいことがある。


あの日私は後悔するから。


だから、伝えたいって思っている気持ちは、どうか……


伝えないで………