まだ話さないって決めてたのに、
もう話す時が来て、私は全て話した。



九条は相変わらず私と話そうとはしないけどね。



今は2時間目の休み時間。


私は鳴海がトイレから帰って来るのを待っていた。



すると、ドアが急に開いて、鳴海かな?って思って見てみると、そこには見慣れない顔があった。


そこにいたのは、長身で黒髪のかっこいい男子。


すると、そこにいた彼は私を見つけるとツカツカと教室に入ってくる。



私の腕を引っ張ると、椅子から立たせて廊下へと引っ張っていく。



「え、ちょ、なんですか!離してくださいっ…」



抵抗するも相手は男子。


やっぱり力が強くて少しの力じゃ振りほどけないほど。



「霧山 瀬奈、だよね?」



急にその彼は私の名前を口に出す。


「…そうですけど?なにか?」



「よかった、間違ってたらどうしようって思ってた」



そう言って彼は優しく微笑む。


わぁ…


笑った顔、なんでこんなに綺麗なんだろう。



九条とはまた違うかっこよさ。



「…って、なんでここに連れて来たんですか」



「あぁ、ちょっと、話を聞いてもらおうと思って。」



「なんですか」



「…実はさ、霧山さんに一目惚れしたんだ、俺。入学式の日に。
それで、よければ今日遊んでくれないかなって」



ちょっと待って。
こんな誘い初めてなんですけど!



こういうのどうすればいいの?!



でも、断るのは良くない?



でも、知らない人だよ?



どうしたら………



その時………