きみが教えてくれた夏

「えっとここだよね」



自分の短い影を見つめながら歩いていたらいつの間にか水の匂いが漂ってきていた。



きらきら。



太陽の光に反射して輝くせせらぎ。
都会とは違ってゴミ一つ落ちていない。



「えっと…おばあちゃんのスイカは…」



この場所は近所の人たちも使っているため色々な野菜や果物が冷やされている。


自然の冷蔵庫。
まさにこれだ。



「あ、あれかな」



一番隅に大きなスイカが一つ、冷やされている。
多分、大きさからしてもあれに違いない。



私は土手に降りるとそのスイカに手をかける。



そしたら。



誰かの手が重なった。