きみが教えてくれた夏

じりじり。


ぎらぎら。



「やっぱ、暑いじゃん…」



確かに最初は涼しかった。
でも慣れてしまえば暑いもの。
下手したら家に居るよりも暑い。



「よし、こうなったらさっさとスイカを取ってきてスイカの冷たさに浸ろう!」



私はバケツを一回転させながら心に誓う。



スイカかぁ…。
おばあちゃんのスイカを食べるのはいつぶりになるのかな。
小さい頃はここに来ると毎回、冷蔵庫からおばあちゃんが出してくれたっけ。



あのときはまだ小さかったからこの場所が大好きだった。



夏を近くに感じられるこの場所が。


特別に感じた。


私にとっての夏はいつもここだった。