きみが教えてくれた夏

「みーらいっ。ほれ、やるよ」 



ふわっ。



頭の上に何かが乗っかった。
ぱらり。
一つ花びらが落ちてきた。
ひまわりの花だ。


なんだろうと思い頭に手を伸ばす。
ザラザラした触感。
これはなんだろう。


頭の上のものをそっと頭から外す。



それは、ひまわりと茎で作った冠だった。
随分と器用に作られている。


海音が照れ隠しなのか頭をガシガシと掻いた。
照れ笑いしながらそっと私の手から冠を取るとまた頭に乗せてくれた。



「恥ずかしいからあんま見んな。」



黒い肌も少しだけ赤く染まる。
そして私の頭に手を置いて。



「未来はひまわりみたいだな」



二回またぽんぽんってしながら。
私の頭を撫でた。



「ひまわりみたいってどういう意味?」



私が訊ねるも海音は視線を逸らした。
自分で言っときながら照れているのか。



刹那。



「あぁぁあ!!!」



海音が大声を上げた。



「な、なに!?…どうしたの!?」



いきなりのことで冠に手が触れてしまい花びらが三枚ほど落ちた。



「み、未来…」



なによ、そんな深刻そうな顔して。
海音らしくない顔にどこか不安で。
私も内心、焦った。