「ばーか。お前は俺みたいに頭良くないんだから大人しく学校行け」

奏先輩は優に似てる。

背は先輩の方が高いけど。

後ろ姿とか雰囲気とか。

「はぁーいー…」

先輩と優を重ねるなんて最低だと思うけど。

そうでもしないと私は壊れてしまう。
    
源氏名を名前だと偽り教えてしまったのは気が引けたが。

「そうだ!レイ今度の日曜日暇か?」

「日曜日…うーん。野球応援があるぐらいかなー?」

「それ何時から?」

「午後1時!!」

「おし!なら学祭来いよ」

「え!日程早くない!?」

「俺らの学校今月の下旬から全国大会でる部多いから日程早めたんだ」

奏先輩は市内の公立高校に通って生徒会長をしてる。

バイトしてるときもよく女の子と一緒だったからきっとモテるんだろ。

「いく!奏先輩案内してくれるんでしょ?」

「有料でな」

笑った顔が一瞬。

ほんの一瞬優にみえたのは。

きっと気のせい。