放課後になり。

いつも通り友達に囲まれてる優を廊下で待っていると。

ドンっ。

「ったぁ…」

「帰るぞー」

友達の輪から抜けてきた優にわざとぶつかられた。

「痛いんですけどーあ、腕折れた痛い痛い!」

「そんなか弱くないだろ」

「いやこれでも一様女の子!!」

「え、初知り~」

ふざけたことを言う優と一緒に外に出れば。

プップー。

車のクラクション。

「…奄上」

「どうしたの?優行かないの?」

先に外に出た優の後ろから外をみると。

「あ…」

見慣れた黒い車。

「お前の親来てる」

少しずつ息が荒れてくる。

なんだか胸騒ぎがする。

バタンと車から聞き慣れたヒール音。

「ゆ…う…ゆう…」

目の前にある優の制服の一部を握る。

「大丈夫…大丈夫だ…」

いつもと様子の違う私に気づいたのか片手を後ろにまわして手を握ってくれる優。

そして。

コツン。

「河心…優くんだよね」

彼女は私の。

「菜美早く来なさい?今日は出掛けるのよ」

唯一の光を。

「聞いて…ないよ?…お母さん…」

「急に決まったんだもん!仕方ないでしょー」

あっさりと。

「河心くん。退けてくれるかな」

簡単に。

「…どうする?奄上」

「菜美。これ以上手間とらせたら…」

‘どうなるか…わかってるよね…?’

ドクン。

震えが止まる。

そのかわりに。