あの頃の私達はまだ幼すぎた

「あ、奄上の荷物持ってたの忘れてた」

目の前には黒いスクールバック。

「ありがとう…」

「おう。よし帰るか」

「え?」

聞かないの…?

不思議に思って先に立ち上がった優を見上げると。

「歩きながらな?そろそろ先生来そうだし」

そう言えば部活生の声も聞こえない。

時計をみればもう時間は17時55分。

「嘘っ!ごめん!!」

立ち上がり優に頭を下げる。

「帰ろう!?今日学校早く終わるのにこんな時間までいたら心配しちゃうよ!優の親!」

1人慌ててると。

「大丈夫だよ。今日母さんいないし父さんも遅番だから。あ、でも弟帰ってきてるかも」

「優って弟いたの!?」

色々なことに驚いてると。

「しっー」

と人差し指を立ててる優。

「とりあえずここから出ような」

「う、うん!」