あの頃の私達はまだ幼すぎた

久しぶりにこんな思いっきり泣いたからか少し疲れた気もする。

今日のために頑張った化粧もおちて目の回りはぐちゃぐちゃ。

指で黒くなったところを落としてなんとか気持ちを落ち着かせる。

トントン。

肩を叩かれ横を向けばなにやらパクパク口を動かしてる優。

「?」

聞こえなくて首を傾げるとこちらに手をのばしてきた。

ビクッと自分の体が震えたのがわかった。

それに気づいたのか寸前のところで手を止めてくれた。

そしてコードのようなものを軽く引っ張られた

あ。イヤホンしてるから聞こえなかったんだ。

急に静かになった世界に少し戸惑いながらも携帯とイヤホンを返す。

「落ち着いた?」

「あの…迷惑かけてごめん…なさい。」

「んーん。俺が勝手にしたことだし」

自分の見慣れた薄ピンクの携帯を渡され受け取ると

「…なんか増えてる」

「あぁ。それ俺の好きなアーティストとか最近ハマってる曲入れといた」

「なんで!?」

「え。んー。趣味あいそうだなと思って?」

そう言って優は優しく笑った。

太陽のような笑顔で。