あの頃の私達はまだ幼すぎた

「っ…ぅ…」

なるべく聞こえないようにしながらも時々聞こえる靴の音などにビクビクしてると。

ムニッ。

「っ…ひゃ…」

耳に違和感を感じ慌てて顔をあげると。

“これなら何も気にしないで泣けるし俺にも聞こえないよ”

画面に打ち込まれてる文字を見て驚いてると流れ出す去年流行ったヒップホップ系の曲を歌う2人組の男性アーティストの曲。

そして見慣れない携帯を渡される。

優の好きな少し濃いピンク色の携帯。

そのまま私の隣に移動してきて同じように壁によりかかり目を閉じてる優。

‘本当は辛いのに辛くないフリをする君’

わざとかそれとも偶然かわからないけど耳に残った歌詞。

何も知らないはずなのに見透かされてるようで

もう限界だった。