あの頃の私達はまだ幼すぎた

「……俺いない方がいい?」

そういうわけじゃない。

でも。

そっと目の前にあるポロシャツの裾を引っ張る

「ん…?」

壁に寄りかかって座ったままの私に合わせるように少し屈んでくれた優。

「…きか…なぃ…で…」

そっと囁くようにお願いして身につけていたイヤホンを優の耳にいれる。

「泣いてるのを?」

頷くとなんとなく笑ってるような気がする。

ポケットにいれてある携帯を出し音楽をかけた

「ぅお!?」

あ、音量MAXだったの忘れてた。

慌てて少し下げる。

そして携帯を優に渡してまた下を向く。