あの頃の私達はまだ幼すぎた

っ!!

紫苑に背を向け走る。

つまり優から逃げる。

悪いことなんかしてないけど。

今の私は演じきれる自信も力もなくて。

本当の‘あたし’がバレそうで。

怖い。

全速力で階段をあがり屋上がある4階扉前で息が切れた。

「はぁ…はぁ…」

なんで逃げちゃったんだろ。

優は何も悪くないのに。

頭の整理はつかないし涙は止まらないし。

辛い…。

疲れた。

泣きながら壁に寄りかかりしゃがみこむ。

足をのばして体全体の力を抜くと場違いにも襲ってくるのは睡魔。

そういえば、ここ最近夜中に起こされては怒鳴られか、不眠症で寝付けないかの生活をしてたような気がする。

ゆっくりと瞼が重くなる。

このまま目が覚めなければ幸せなの…に…。