あの頃の私達はまだ幼すぎた

「………」

四季をここで過ごして。

そして。

ここで死にかけた。

横断歩道を見つめ思いだす。

「………懐かしい」

「なにひとりごと言ってんの」

信号待ちをしてた時。

わっ!と驚かすかのように見慣れた声が聞こえた。

「あれ…?もう終わったの教習所」

「優」

タイミングよく青になった信号。

満月の光に反射するように優の顔がみえた。

「ん。ん~多分」

「なにそれ」

自分の口角が自然に上がるのがわかった。

「というか…なんでこんな所にいるの?」

確か送迎バスが止まる場所はもう少し向こうだったはず。

「秘密」

柔らかく笑っていつもと同じように私の左側を歩く。

「ふーん…ま、いいや」

私はいつも通り一歩下がって彼の背中を見つめながら歩き出す。