あの頃の私達はまだ幼すぎた

「だからさ。柚希ちゃん?」

ペタンと座りこんでしまった彼女を見下ろす。

「あなたがしてよ」

「やっ…」

震えた手にカミソリを握らせる。

もちろん刃じゃないほう。

「なにしてんの菜美」

そこまでしたとこで出てきたのは。

「……何も」

「こら!!お前等なにしてんだ!!」

先生方によって野次馬は蹴散らされた。

「おい菜美…!説明しろ」

怖い顔してるのは山ちゃん。

「先生違うのこれは…!!」

佳織の説明が入る前に口をはさむ。

「この子が私のこの前の事件について文句あるみたいで揉めあいになった。その時に私その子引っ叩いたの。そしたら逆上したみたいで急にカミソリで私のこと……」

私の発言に皆が驚いた。

「でもかすったぐらいだし出血ももう止まってるから大丈夫だよ。仲直りしたし。」

「ね…ゆずきちゃん?」

「は、はい…」

震えたまま立てない彼女は山ちゃんに任せた。

「なぁ。なにしてんの。お前」

その場には私と佳織と秋そして優だけがいた。

「何もしてないよ?」

「俺が何で怒ってるかわかる?」

「怪我したから?」

「怪我じゃないだろ!」

さっき傷ついた手首はもう血が固まりただの線になってる。

「何俺の“身体”に傷つけてんの…?」

そう。私と優はお互いがお互い自身。

私の身体は優のもの。

「仕方ないよ。」

「全部みてたんだけど?」